前の宣言通りに動くな死ね甦れ!というヴィターリーカネフスキー監督の映画を観てきました。
天才と一口に云えども、松本の天才の定義とはなんぞや、は取り敢えず置いといて、ヴィターリーカネフスキーは一口に云うが、天才だ。
なぜ観る人をこんな気持ちにできるのだろう、と不思議に感服してしまう。
おじいちゃんに近づくと子供の頃の感覚に近づくのか、いや多分カネフスキーは生まれてからずっと少年だった事が自然と想像できる。
彼は少年になる為に一度死んだらしい。映画を観ると、少年の心を持った大人、とかいうよく宣伝文句にも使用される様な存在じゃなくて、混じりっけなしのエクストラバージンオイルみたいな、じぃちゃんだけど少年なのだ。
子供の頃にしかない感情の脆さと豊かさ、少年と少女という関係でなければ得られなかった終焉までの出来事がノスタルジーというには少し違う、もどかしさや苛立たしさ、焦れったさと共にやってくる。
少年スポットでもラリークラークとかとは異なる切り口で描かれた少年少女の激情模様で感受性とその働きが若返った様な気になりました。そしてきっと若返った気になる私はもうおっさんなのでしょう。
個人的な事じゃけど少年ワレルカがわしの少年期にマジでそっくりでその一挙手一投足が自分をみている様で心配でなりませんでした。おぃ女の子にもっと優しくしろよとか、それは危ないからやめておけ、的に。ちなみに言うまでもありませんが美少年でした。
サイサリアにいいものを齎してくれる映画でした。あと2本もきっと行こう。
とおる